Case Studies支援事例
グローバルビジネス強化のためのガバナンス改革
- 支援領域
- 経営(オペレーション)モデル変革
- グローバル組織マネジメント・ガバナンス
- 業種
- 製造業
Overviewチャレンジと課題
日系製造業において、日本中心のマネジメントからの脱却を図るべく、予算策定プロセスや、新規案件の開発順位に関する意思決定プロセスの見直しをご支援。当該企業では、数年来にわたる事業開発やM&A等により、急激に海外売上比率が上昇。日本市場の売上比率は4割程度となり、さらなる成長は海外市場が牽引するという方針が明確化された。一方で、意思決定やガバナンスの仕組みに関しては、従来の日本を中心とした考え方を変えられずにいた。このような現状を受け、事業・製品ポートフォリオ分析を当社がご支援した事業部長からご依頼頂き、取組みを開始。日本を特別視せず、ゼロベースで将来の成長を見据えた意思決定を行うための課題を設定し、解決策を定着させて成果を上げる取組みをご支援した。
Approachアプローチ
予算策定のプロセスを、前提条件の開示から最終的なシステム登録まで、詳細に見える化。その中で、登場する役割と、意思決定ポイントを明示し、現状の課題とそのビジネスインパクトを明確化。見える化の結果、組織構造においては、日本「事業部」とグローバル「事業部」という2重構造と、それによる意思決定者の兼務兼任が、日本事業へのリソース偏重等の原因であると特定。同時に、各国地域代表の固定配賦等により、日本事業部が必要以上の負担をしていることを再確認。社内固定費配布ルールの変更は、全社を巻込むため棚上げし、関係者が全体の確認を行い、予算策定に関わる意思決定タイミングと決定者の整理を実施。また、新規開発案件投資に関して、国内開発センターが海外開発センターの案件に関わる構図を原則廃止し、海外開発センター単独でクローズできる海外新規案件については、全て海外単独の意思決定に委ねる形に規定を変更した。
Result取組成果
取組みを通じて、長年の「増改築」により複雑化していた意思決定プロセスの全貌を明確化。その上で、合理的に今後の成長を考えた際、阻害要因となっているポイントの意思決定者や権限に関して、将来の可能性に合わせた変更を実現。当初の目的ではなかったが、結果的に新規案件の投資基準や実施場所の意思決定についても適正化。海外での新規案件については、平均2ヶ月程度かかっていた顧客サンプル製造プロセスを3週間以上短縮し、特に欧州での新規事業成長加速を可能とするプロセス構築につながった。